生うどんつちやブログ

鹿児島県鹿屋市にあるうどん屋です。

こんど塩田知事に会ったら伝えてください

塩田知事、はじめまして。

私は鹿屋市で小さな飲食店を13年やっています。以前の知事、三反園さんと伊藤さんはご来店いただきました。いや、別に塩田知事は来ないなぁと言いたいわけじゃないです。この大変な状況でうちなんかに来る時間はないとお察しいたします。(そこそこ美味しいと評判なんですよ、これでも)

 

報道によると、県は新型コロナウイルスの感染防止対策を適切に行っている飲食店に対する、新たな認証制度を6月28日に作る予定だそうですね。同じようなことを多くの県が行っていることは知っています。認証制度に当てはまらないことを理由に自粛要請の補償金を渡さないという県もあるようです。きっと塩田知事もきっとそうお考えなのでしょう。
私は政治家が分断を生むような政策をとるべきではないと考えていますので、認証制度の普及と補償金を関係つけるのは反対です。

 

もちろん、私たち飲食店は他の業種と比べ多くの補償金をもらっています。中には自粛期間に闇営業をしていた飲食店も、補償金対象ではないのにもらっている事業所もあることも知っています。けれど、こういう人は一定数出るものです。私の古い友人は役所の税務課にいながら自分の家族には税金がかからないようにずっと嘘の申告をしていました。どこにでも困ったやつはいるものです。細かいことに目を向けずに多くの困っている人たちを少しでも救えるような政策をとっていただきたいと思います。

 

これだけ長い自粛や緊急事態宣言が続いたら、人は我慢できないものです。少し住宅街を夜に歩いてみてください。自宅の庭で飲み会をしている家がとても多くなったことに気づくはずです。鹿児島県職員による、「少人数、短時間」の会食を呼びかける中、40人近い飲み会があった報道もありました。

 

コロナ感染経路の報道で最近目立つのは飲食店の割合の少なさです。例えば、静岡県での年末年始の感染事例を分析した報道では、飲食店3%、家族27%、知人5%、職場3%になっています。5月の福島県では、飲食店は9%に対して、家族35%、知人7%、職場20%。5月22日の産経新聞の報道でも新型コロナウイルスの感染者のうち感染経路が不明な人の割合が50%を超えて最大になったとあります。
ここ鹿屋市でも6月11日発表の感染者数の集計181人に対して、飲食店のクラスターは2人と市は発表しています。

これを見る限り、飲食店だけを厳しく取り締まる段階ではないのではないでしょうか。
もちろん、何かの対策をしないといけないのはわかります。個別訪問で確認することもしたらいいと思います。

 

私は個人的には、飲食店は営業自粛をお願いするならきっちりと補償金をくれと言うべきと考えています。補償金に関しても、みんな確定申告をしているはずです。それこそ個別訪問で確認してもらえばいい話です。一律に給付するので不正や疑心暗鬼も生まれます。認証制度で人と時間を使うくらいならこちらに人と時間を使い、それぞれの商売の規模にあった補償をするべきです。それが無理なら普通に営業をさせるしかないと思います。私たち商売人は基本的になんの保証もない状態が普通です。お客さんが来ずにつぶれるならそれも仕方ないと誰もが思っているはずです。


塩田知事が、この状況でやるべきことは飲食店の認証制度の普及よりも病床数の確保ではないでしょうか?

 

6月1日の南日本新聞の報道によると、

“鹿児島県は31日、新型コロナウイルスの感染者に対応する新たな病床確保計画を策定し運用を始めた。22床増えた最大確保病床419床のうち、重症向けは3床減の41床となった。県は「各医療機関に受け入れ可能な重症病床を改めて聞いた結果減った」と説明した。”

この状況で重症病床が減ったことにも驚きますが、病床数が400ちょっとしかないことにも驚いてしまいます。コロナが広まってもう一年半です。専門家ではないので私の認識が間違っているのかもしれませんが、ここ鹿児島県でも多いときは一日50人以上の感染者が発表されています。これから冬に向けて、この数字が3,4倍になることだって想定できます。季節性の感染爆発が起こらないとは誰も言えないはずです。もちろん、ワクチンが広まりそんなことはないのかもしれません。私も心からそうあってほしいと思っています。しかし、インドや台湾のように変異株によって感染が急激に増えることを、想定しておくべきではないでしょうか?

 

飲食店もみんながんばっています。菅総理が病床数が増えないことに、「日本は8割が民間の中小の病院で、政府としてもお願いしかできないのです。」と会見で言っていました。きっとそうなのでしょう。税金を使った皆保険制度に支えられて、医師の育成にも膨大な税金が投入されているのにお願いしかできない状況。そうなのでしょう。そんな医療法を改正できるのは政府与党しかいないのですが、そうなのでしょう。

同じように塩田知事もお願いしかできないのかもしれません。そうなのでしょう。
それなら、お願いしつづけるしかないのではないでしょうか?お願いして、お願いして、お願いすれば県民は知事にきっとついていくと思います。その県民の想いは医療関係者を動かすかもしれません。


私は、先の県知事選挙で「数年後に富士山が爆発して関東は壊滅、その後地方に人口は大移動して少子高齢化は解消するから、何もしなくていい」という公約をかかげた武田さんを面白いので応援してしまいました。反省しています。

しかし、今回、塩田知事ががんばっていただけたら、今度こそは塩田知事に投票しようと思います。

 

最後に、もう一度言いますが、以前の知事は食べに来てくれました。
違いました。これではなく。

飲食店への新しい認証制度を作るのもいいでしょう。それもやりたければやればいいと思います。多くの飲食店は限界まできています。自粛要請をするならしっかりと個別の状況にあった補償と、大変なお仕事とは思いますが一つでも多くの病床数の確保をお願い申し上げます。

 

生うどんつちや 土屋耕二