生うどんつちやブログ

鹿児島県鹿屋市にあるうどん屋です。

これからの飲食店が生きる道

不振な外食産業

今日は朝の3時半に起きて福岡に向かっています。

先日のブログにあるように福岡でセミナーなのに日帰りです。
五時の桜島フェリーに乗ってこれを書いています。桜島フェリー|鹿児島県観光サイト/本物。の旅かごしま
 
朝早い時間に動き出すと、こんな時間にも働いている人がいて、そういう一人一人のおかげで快適な生活が送れるんだよね。と頭が下がります。

 

今朝は一つの記事を紹介します。
消費税が上がった四月から外食産業はどこも不振という内容です。
消費税があがった当初はニュースなどでは、ファミレスや居酒屋で高級志向のメニューが好調との報道もありましたが、ここに来て、そのほとんどが頭打ちのようです。
価格で勝負の飲食店は原価を徹底的に抑えることと、『ワンオペ』に象徴されるように人件費をあらゆる方法で抑制してきました。
しかし、中国産の鶏肉問題やブラック企業批判が示す通り、どうもそのようなやり方で売上の拡大を図っても、それだけでうまく行くとは限らないのが今の現状のようです。
 

まだまだ市場はでかいが。

食産業の市場規模(13年)は23.9兆円(日本フードサービス協会調べ)を誇る日本最大の市場である。百貨店・スーパーが16.4兆円、自動車市場が16.2兆円であるのと比較すると巨大な産業であることがわかる。店舗数は約75万店、従業員数は442万人となっている(09年)。
市場自体はまだまだ大きいようです。
しかし、ここ15年ほどで5兆円も減少しており、しかも飲食業の競合は他の飲食店にとどまらず、コンビニに代表される「中食」、あるいは「内食」になってきているということです。
 
最初にも書きましたが、今朝ぼくは3時半に起きて動き出しました。車で桜島フェリーまで走り、途中、セブンイレブンにてコーヒーとサンドイッチを買って運転しながら食べました。
ご承知の方も多いかと思いますが、最近コンビニ各社が豆挽きたてのコーヒーを出しています。100円です。
はっきり言って、うまいです。サンドイッチもそこそこうまいです。いや、けっこううまいと言ってもいいです。(昔はコンビニのサンドイッチって「それなり」のものだったように思います。)
 
こう書くと、僕と同じ料理人や喫茶店をやっている人は『そんなことない!たかがうどん職人に何がわかる!』と言われそうですが、確かにこれよりうまいコーヒー、サンドイッチはあるでしょう。
それは僕も知ってます。
 
しかし、こういう見方もできると思います。『では、この値段(コーヒーは100円)で、この時間(朝の3時半に)に同じようなコーヒーを出せる飲食店がどれほどあるんだ?』と。
 
僕は何も『やっぱり日本のコンビニ最高だよね。飲食店はもう無理だよね』と言いたいわけじゃないです。
 

んじゃどうしろって言うんだ。

「みんな本物をわかってないよね。なんて嘆いてもしょうがないです。」
飲食店をしていくなら、コンビニとかを意識しておかないとダメじゃないかということです。
今のお客さんたちは他のいろいろな飲食店やコンビニなどで食べていて、サービスを受けています。
そのことを念頭に置いて、自分のできることをするということです。
 
その一つは先の記事にもあるように、セントラルキッチンに象徴されるような、画一的な料理ではなく、本来の飲食店の強みである『その場で作る』『そこでしか食べることができない』という点に力をおくことだと思います。
 
もちろん、オリジナルや特徴だけあればそれでいいはずありません。そんなものはいつか飽きられるか、競合が現れます。
 
他では食べられないものを作る。基本を抑えたちゃんとした料理。接客やオペレーションを含めた店づくり。自分がやっている商売にあった店の規模と立地。値段設定や人員の配置による数字(お金)の管理。借入や貯え、家賃や設備投資などの経営面での判断。愚直な宣伝広告。などなど。
考えなきゃいけないことは数多くあります。
しかもそれらはどんどん状況に合わして試行錯誤を繰り返していかないといけません。
確かにしんどいかもしれません。めんどくさいかもしれません。書いている僕も完璧にできているわけじゃないです。
 
個人ではこれら全てを高いレベルで行えるところはそうそうないはずです。
しかし、これらをバランスよく無理のない範囲で少しずつでも実現していくことが、超一流の料理人でもない僕のような人がやる飲食店が生きる道だと思います。