消費税が上がりました。
生うどんつちやの価格について今日は書きたいと思います。
結論から言うと、今回の増税に伴いメニューの価格を上げることはしませんでした。
理由はいくつかあります。
①値段を上げると売上が下がる可能性がある。
去年一年間と今年に入ってからの三月までは、まぁそれなりに調子がよかったです。(いや、ほんとにそれなりにです。)
この調子を四月以降も持続させたいというのが一番の理由です。
値段を上げるということは、店に入る売上は、値段を上げた分だけ上がります。
ただしそれは、それまでの客数を維持できた場合です。
それまで、100円で売っていたものが100人に売れていた場合
100円×100人で、10000円の売上です。
それを、120円に上げて、客数が同じだった場合
120円×100人で、12000円の売上です。
このように行けばいいですが、実際は値段を上げると客足が鈍くなるのが普通です。
今まで、週に3回食べに来てくれたお客さんが週に2回になったりするわけです。
だから、店としてはある程度は客足が落ちてもいいという覚悟を持った上で、値段を上げるのです。
上の計算でいけば、同じ売上をあげるためには、
120円×83人で、約10000円です。
これは、値段を上げた場合のとても単純化した計算です。
実際は、これに原料、光熱費、消費税、人件費、などなど考慮しつつ値段を決めます。
さらにいうと、原料や消費税が上がっている状況では、売上が以前と同じ10000円では足りません。
そうであるならば、値上げをしてさらに客数を維持、あるいは増やさなければなりません。
三月の末まではそこそこいい感じに来ていても、その後は客足が落ちるだろうと僕は思っていました。
消費税増税による影響。四月前半は問題ない。けど、ぜったいあとから くるはず。 - 〔生うどんつちや〕 社長の日誌
そして、やはり落ちました。
消費税増税後、やっぱりきた!!すんごい暇。 - 〔生うどんつちや〕 社長の日誌
うちの値段は関係なく、世間の雰囲気として客足は落ちるだろうと思っていて、そこにさらに値段を上げたら尚更お客さんの動きは鈍くなるだろうという判断です。
②丸亀は上げてないようだし。
もう一つの理由は、丸亀製麺があげていないというのもあります。
僕は食べに行ったことがないので、(自意識。)間違っているかもしれませんが、丸亀製麺は四月以降値段は上げていないはずです。
うどんの内容もやっていることも違うから気にしなくていいよ。とおっしゃってくださるお客さんも多くいらっしゃいますが、客観的にみて残念ながらこの町のうどんでは丸亀製麺が一番です。(ほんとうに残念ですが。)
追うものは、追っている相手を意識せざるを得ないし、シェアNo.1は値段を決められます。
③もう少し工夫の余地があるのではないか。
最後の理由としては、原料等が上がり、消費税が上がっても何かしらの工夫の余地があるのではないか?ということです。
一番大切な「味」の部分は変えることなく、その他の経費を抑えられないか真剣に考えてみようと思います。
このような理由で今のところは値段を変えずにいきます。
もちろん、状況は変わることもあるし、正解はありません。
値段を決めるのは、数限りない要素が係る問題で、まさに『値決めは経営』です。
(『心を高める、経営を伸ばす』より)
私は「値決めは経営だ」ということを言っています。
値決めにあたっては、市場で競争するのですから、市場価格より若干安いという価格になるはずです。市場価格より大きく下げて利幅を少なくして大量に売るのか、それとも市場価格よりあまり下げないで利幅を多くして少量を売るのか、その価格設定は無段階でいくらでもあるはずです。
つまり、量と利幅との積の極大値を求めるわけですが、これには様々なファクターが入り、簡単に解くことはできないのです。どれほどの利幅をとったときに、どれだけの量が売れるのかを予想するのは、非常に難しいのです。この値決めは、経営を大きく左右するだけに、私はトップが行うべきものと考えています。
そうすると、どの値をとるかということは、トップが持っている哲学に起因してきます。強引な人は、強引なところで値段を決めるし、気の弱い人は気の弱いところで値段を決めるのです。
もし値決めによって会社の業績が悪くなるとすれば、それは経営者の器の問題であり、心の問題であり、経営者の持つ貧困な哲学のなせる業だと私は思います。

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