「ちょっと、付き合ってくれ」と友人Aが言ってきました。
聞くと、その友人Aの高校時代の友人Bが飲食店を開業したいと計画中らしく、 A曰く友人Bは「つちやのことも、『続・ぼくの鹿児島案内』で知っていたらしく、一度会いたいと言っている」ということでした。
他人に話せるようなかっこいい話は出来ないのですが、友人Aとは保育園からの付き合いなので、「お前が言うなら、おれの話で良ければ何でも聞いていいよ。」と店が終わった夜の10時に指定の居酒屋に一人行きました。
ここではその友人Bの構想がどんなものかは書きませんが、僕の今までの経験したことを話してきました。(5年ですが、それなりに色々あったので)
飲食店をやるといっても、それぞれ条件は違いますから、一概には同じようなアドバイスはできません。
例えば、まだ修業も行っていない友人にアドバイスするとしたら、
『とりあえず、やめとけ。考え直せ。』
ですね。 その点については、過去のブログが参考になると思います。
その友人Bは、すでに修業もしているというので、上記のようなことは話しませんでした。
料理に関しては、僕はうどん屋なのでそれ以外の料理についてはアドバイスなんかはできません。
僕が話せることは、 立地に対する考え方や、(まぁ、個人ではどのみちいい条件のところは借りることはできません。)
借入時の金融機関との話の仕方、厨房設備の購入時のアドバイス、宣伝の仕方、備品や消耗品の節約の仕方、スタッフはどうするのか、などなど、結構細かいところまで話しました。
あとは、一番気になる実際のお金の話もしました。 自己資金がどのくらいあって、家賃はどのくらいを考えていて、借入はどのくらいするのか?といったことです。
家賃や借入に対する、目標の売上など、実際にやらないとわからないことばかりですから、それなりに役には立ったのではないでしょうか?
あとは、心構えを話しました。
ゼロから飲食店を個人でするのは、はっきり言って、この世の地獄を見ます。
失敗、後悔は絶対に避けられません。
もし仮にうどん屋で独立するのであったら、生活苦で毎日うどんを食べ続ける覚悟をしないといけません。
経営の初心者にそんなうまくできるわけないのです。
恐ろしく厳しい日々が待っています。
もし、それを乗り越えて売上が上がったとします。
あるいはオープン当初から、腕に自信がありうまくお客さんが入ったとします。
それでも同じです。
不思議に思うかもしれませんが、売上があろうとなかろうと一緒です。
この世の地獄を見ます。
詳しくは書きませんが、本当です。
これは覚悟しないといけません。
けれど、僕はこうも言いました。
「商売」をしていると、生き方や自分のこれからの人生について考えることと、働くことがほとんど一つに重なる。それは、とてもしんどく、つらいことかもしれないけど、自分の生き方について深く考える機会になるし、お金に対する考え方や、仕事、家族、友人などに対する考え方を自分の中に新しく身につけていくことになる。大げさな言い方をすれば、それまでなかった新しい価値観を手にすることで、それはまさに長い時間と負荷をかけて、いままでなかった筋肉を少しずつ苦労しながらつけていくようなもの。そういった体験は喜びでもあり、すばらしいものでもある。」
と。
店を実際にしたら、本当にいろいろ大変です。
そのような状況の人にアドバイスするとしたら、以下の過去に書いた文章があります。
あと、商売いいときもあれば、そうじゃないときも絶対にあるから。
それについてはこちらに
色々と悲観的なとこを多く話しましたが、僕は基本的に個人で商売するというのはとてもやりがいがあるし、基本的に応援したいと思っています。