『
浜田省吾がTVに出るらしいよ。』
そう知人から教えてもらいました。
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【テレビ出演】
番組名:「
浜田省吾ライブ
スペシャル~僕と彼女と週末に~」
放送局:
NHK BSプレミアム
放送日:7月28日(日) 22:50~0:20(90分)
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浜田省吾公式ホームページ
今回のTV出演が12年ぶりですが、その前のTV出演が、その時点で20年ぶりですので、それを考えるとほとんどTVに出ないのが浜省です。
渋谷陽一が発行している雑誌『BRIDGE - spring 2011 』によると
bridgeに10年ぶりの登場である。《中略》その10年の間、浜田省吾はひたすらツアーを続け、オリジナルやベストを含めたたくさんのCDやDVDをリリースしてきた。その全てが高いセールスを記録し、この春から行われる全国アリーナ・ツアー(ON THE ROAD 2011”The Last Weekend”)では35万人のファンを動員する。チケットはいつもプラチナ状態だ。何より凄いのは、ツアーを重ねるたびに新しいファンを獲得し、動員が増えていることだ。
と、あるようにただメディアに出ていないだけで、(もともと出ないのですが)音楽活動はしていたのです。
実は、僕(今年で35歳)は、中学校のころから浜省を聞いています。
当時でも、かなり上の世代が聞いている浜省だったのですが、中学時代の友人が(その兄が好きということで)教えてくれて好きになりました。
浜省の何が当時の僕をとらえたのか?
それは自分でもよくわかりませんが、その頃の、妄想と不安といら立ちで頭がパンパンだった思春期の僕には合っていたのかもしれません。
浜省は当時からTVには絶対に出なかったので、ある年のクリスマスの夜に、
渋谷陽一とのラジオの特別番組があって、カセットテープに録音したものを何度も聞いたのを覚えています。
中学校3年生(1993年)のときには、当時VHSのビデオテープでライブ映像(1989年リリース)があるのを知って、貯めたお小遣いを握りしめて「セブンプラザ」に走りました。
急いで家に帰って、そのビデオをその日のうちの何度も見たのは今でも忘れません。
そんな、浜省に熱狂していた思春期ですが、中学を卒業して、高校に入り、大学進学とともに故郷を離れると事情が少しかわります。
二十歳くらいのときに、『あれ?俺の周りで浜省なんて、誰も聞いてねぇな。』と改めて気づき。
僕としても、浜省より女の子に興味が移っていた時期で、≪意識高めの公立文系の女子大生≫と話を合わすために、『こりゃ、浜省の「は」の字も出せねぇなぁ~』と空気を読んだ時期もありました。(てへへ。)
だけど、心の中には、あのブルージーンズの浜省がぼくの中では歌っていました。
初期のコッコに
椎名林檎、ピチカート、サニーデー、シュガーソウル、
浜田真理子。
これらのシャレオツな歌をしたり顔で聞いたり、ライブに行ったりしても、僕の心はずっと浜省を求めていたのです。
そう、あのサングラスとバンダナを。
僕がこのように、他のことにうつつを抜かしているときも、浜省ひたすらライブをしていました。
『そんなにツアーばっかりやっていてもしょうがないじゃん』っていうような空気があんたんです、なんとなく。『ベスト盤作ろうよ』っていう。で、その時はっきり言ったのを覚えてるんですけで、『CDっていうものは金融商品だ。ライブっていうのは製造業なんだ。だから常におれたちはここが大切なんだ』っていうことをそのまま言ったんですね。---『BRIDGE - spring 2011 』
とあるように、ライブをコツコツと積み上げていたのです。
そして、現在のようにCDがまったく売れない時代にあって、浜省はライブでの動員を年々増やしています。
渋谷陽一曰く、『今や音楽業界って、ライブでしか食えなくなってきていて、結果、一番正しい、最先端なことをやっているアーティストになっている。』
このように、大切なことをコツコツとやっていく、その姿勢はどんな仕事にも当てはまることです。
口では「お客さまを第一に」と言っても、それを長い間やり続けていくことはとても難しいことです。
今ではときどき思い出したようにCDを聞くだけですが、思春期に好きだった歌を、少し恥ずかしく思ったりするものです。(そもそも、浜省みたいに現在も、第一線で活躍している歌手の方がすくないでしょう。)
だけれども、僕はいま思うのです。
あの頃の僕を忘れたくないな、と。
黒板純が、自分の故郷、北海道の
富良野から遠く離れても、あの古い父、黒板五郎から離れることはできないように。
(そういえば、ドラマ『
北の国から』でも浜省の曲が何曲も使われていましたね。)
最後に、DVDの紹介を。
『僕と彼女と週末に』
これは、ベストアルバムの『BEST of Shogo Hamada vol.3』の曲をDVDにしたものなのですが、これがものすごくいいんですよ。
どういった内容かというと、日本の、世界の歴史を浜省の曲とともにまとめているものです。
日本でいえば、幕末、
明治維新からはじまり、明治、大正、昭和と戦争の時代を通り抜け、終戦、復興、高度成長をなしとげる。
この豊かな社会の裏で、公害問題、政治不安、
阪神大震災に
オウム真理教事件がおこる。(3.11前にリリースです)
経済面ではバブルがはじけ、
金融危機、そして、長期不況。
これまでの日本社会を浜省の歌が振り返ります。
焼け跡の灰の中から強く高く飛び立った。落ちてゆく夕日めがけ西の空を見上げて。過ぎ去った昔の事と子供たちに何一つ伝えずにこの国何を学んできたのだろう。--『
RISING SUN 風の勲章』
果てしなく続く生存競争 走り疲れ 家庭も仕事も投げ出し逝った友人 そして俺は心の空白埋めよう山のような仕事抱え込んでしのいでる。--『
JBOY』
銀行と土地ブローカーに生涯をささげるような悪夢のようなこの国の 飽食とエゴに満ちた豊かさの裏側でやせ細る南の大地--『
詩人の鐘』
世界に目を向けると、大きな戦争が終わり、冷戦がはじまる。
それは原爆、水爆の開発、実験をすすめ、ベルリンは壁で分断され、アジアでは内戦後に
中華人民共和国が成立し、
大韓民国、
朝鮮民主主義人民共和国も成立。
それに、
キューバ危機に、
ベトナム戦争。
冷戦終結後は、世界各地で内戦や民族紛争が続発。
そして、9.11。アメリカは「テロとの戦い」を宣言。
それと同時にマネーは世界を回り、
リーマンショックを起こす。
地下から地下へ運ばれた爆発物 国家に養われたテロリスト ひび割れた原子力 雨に溶け風に乗って 受け止めるか 立ち止まるか--『
A NEW STYLE WAR』
寒さに凍えている者たちに木を切るなと誰が言えるだろう。飢えている者たちにその土地を耕すなと誰が言えるだろう。--『
裸の王様』
愛の世代の前の一瞬の閃光に すりかえられた脆い夢など 崩れ落ちる 愛の世代の前に--『
愛の世代の前に』
そのとき、そのときの社会現象の映像と、浜省の音楽、ライブ映像が重なっている素晴らしいDVDです。
いかん。いつになく熱く語ってしまった・・・。
最後に、これは紹介せねば。
生うどんつちやに浜省が来てくれたときの様子です。
生うどんつちや結婚式ご招待ムービー
こちら。