そして、修業にて何を学ぶか?の最後です。
最後は、『学ぶことを学ぶ』ということです。
店をするのに、考えなければならないことは数多くあります。
料理もそうですし、それ以外のこともそうです。
料理について言うと、修業中に得た、その知恵袋はいつか空になってしまいます。
新しいことを少しずつでも取り入れていかないと、この移り気な消費者を満足させることはできません。
それには辛抱強く釣り糸をたらすように、せっせと井戸を掘るように、自分で勉強しなければいけません。
その勉強して得たことを、実際メニューに載せるところまで持っていくには、結構な力仕事です。(誰もが、今現在の営業で精一杯やっているわけで、そこに、さらに新しいことを加えるわけですから)
仕入れや仕込みは増えるし、メニューも作り変えなければいけません。
なにより、自信をもってメニューに載せるにはそれだけの自信作でなければなりません。
それを一から考えるのは想像以上にたいへんです。
それでも、ぐぐっと踏ん張って、これら一連のことを実行できる力が必要になります。
その力は、《今はできないけど、いつか、できるようになる》=《学ぶこと》というような、まさに修業中に得ること、というか、その行為は修業そのものです。
つまり、修業とは『学ぶことを学ぶ』と言い換えてもいいでしょう。
この力がつけば、基本的に、どんな料理でも今はレシピを知ろうと思えば知ることができます。
独学から自分の料理にしていくことができます。
さらに、もっと言えば、『学ぶことを学ぶ』という意識があれば、修業先なんて、極論言えば、どこでもいいとも言えます。
どんなところに行っても、そのときの自分では分からないことや、できないことにぶつかるわけですから。
(たぶん、つづく)
えぇ~~まだつづくの?
たぶん。