「ちきりん」という人を知っていますか?
社会派ブロガーということで、自身のブログにて色々と独自の視点で日本社会について書いています。
この方の本を最近手に入れたので読んでみました。
ブロガーの本ということで、あんまり期待していなかったのですが、これがすごくよかったです。
ざっくりと言うと、
・1970年代までは、自動車、家電、不動産などを積極的に購入する消費に意欲的な人口が増えていたが、今は減少している。人口だけではなく、一人ひとりの収入も減っている。
・個別に見れば、日本市場でもこれからも成長していく会社はあるでしょうが、日本全体としては人口の減少にともなって、消費されるお金の額は少しずつ少なくなっていくことが自然。(つまり全体の経済が縮小していく)
・ネットを利用した、グローバルなクラウド環境で仕事をするようになれば、海外のビーチで東京の仕事をすることも可能です。しかし、それは反対の状況もあるということで、つまり東京での仕事をしてもらうのに、人件費や生活費が高い東京ではなく、それらが低いアジアのどこかの国で東京むけの仕事をさせようと考える企業が出てくるということです。
・現在は、「海外で仕事をしたい。」というような積極的な考えで海外に出ている人が大半かもしれませんが、これからは本人の意向にかかわらず、海外に部署や拠点を移される状況になってくる。
そんなか、若者を中心に大企業や安定していると今まで言われていた組織を辞める人が増えている。
それは、その個人が望むことが大企業や組織では得ることができなくなっているからだと言います。
詳しくは本書を読んでいただくとして、そのような状況にある現在、どのように生きていけばいいのでしょうか。
本書はそのヒントがあります。
・これからは、組織を離れても稼ぐ力がある人、年齢を重ねても新しいことに挑戦する好奇心、行動力があるひと、見知らぬ人ともコミュニケーションをとれる能力があるかどうかが、その人の人生の豊かさを決めていく。
・「市場に近いところで働く」これは、参入障壁が低く、規制や独占、寡占状態になく顧客と直接向き合いながら仕事をするところ。要は誰から給料をもらっているのか見えているところ。
・現在働いている環境で、将来のキャリアを5パターンくらいにわけて、自分がどの道を選びたいのかを意識しながら働く。(詳しくは本書を)
そして、詳しくは本を読んでいただきたいですが、今の平均寿命も伸びた社会においては、仕事と人生について二つ目のキャリアを意識することが大切だと書いています。
詳しくは書きませんが、これはとても大事な視点だと思います。年金なんかあてにしている状況が本当に幸せな生き方なのでしょうか。(まぁ今の30代以下は、誰もあてにしてないと思いますが。)
今現在、正社員で働いている人、あるいは僕のように個人で商売をしている人。
さらには、非正規雇用や主婦、パートの人まで読んで、その先の自分の生き方を考えるいい機会になる本だと思います。
これを読んでいたら、個人の商売も悪くないな。と思いました。
個人の商売で食っていくのは、大変かもしれませんが(やっている本人は、他所と比べようがないのでよくわかりません。)組織や誰かに頼ってしか稼げないよりは、将来への漠然とした不安がない分、生き生きと働けるのかもしれません。
それに、僕の周りを見渡しても、個人で商売している人は「最後は、どんなところでも働ける」みたいな厚かましさがあったりします。
とりあえず、機会があったら購読してみてください。
本当にお勧めです。