生うどんつちやブログ

鹿児島県鹿屋市にあるうどん屋です。

南大隅に最終処分場

仕事から帰って、家でゆっくりしていたら TBS NEWS23で『南大隅町での最終処分場交渉の裏側』という特集をしていました。

以下は、その内容の文字起こしです。(なるべく報道のままを再現できるように努めましたが、途中省いているところもあります。)

『がんばろうー!がんばろー!!がんばろー!!!』

の掛け声のもと今月(2013年4月)9日、本土最南端、南大隅町で町長選挙がはじまった。

南国の明るい日差しの下、仮設の演壇に立って右手を何度も振り上げるのは「現職 森田俊彦 町長」。

「正々堂々」ののぼりが立ち並ぶなか、有権者たちと握手を交わす。

対する、対抗陣営には『肥後隆志氏』。

彼の応援には脱原発で知られる、俳優の山本太郎が応援に駆けつける。

山本「自分の命に代えてこの最終処分場を南大隅には絶対に持ってこさせないという気概が町長になる人には必要なんですよね」と演説。

この小さな町で日本全国が注目する大きな問題が争われた。

それはなぜか?

去年(2012年)8月、『TBS NEWS23』は南大隅町が最終処分場の有力候補地として政府内で浮上したことを伝えた。

この最終処分場とは、福島県内の除染作業で発生する放射性物質に汚染された土などを処分する施設のこと。

当時、民主党政権では、福島県内に中間貯蔵施設を造り、30年以内に県外で最終処分するとしていた。

だが、その具体的な場所が示されず、福島の除染作業は当初の計画より大幅に遅れている。

つまり、最終処分場は福島復興の鍵を握る施設といえる。

NEWS23の取材で森田町長は最終処分場の受け入れには反対で『政府からの打診は一切ない』と語っていた。

森田町長『とんでもないです。(政府との交渉は)一切ありません。前の報道(12年8月の報道)も誤報だったのでは?』

と選挙中も否定する森田町

その言葉は本当なのか?

去年(12年)6月。『NEWS23』は、決定的な場面をとらえていた。

それは当時の民主党原発行政を一手に引き受けていた仙谷由人氏と森田町長が密かに会合を持っていた証拠写真だ。

同じ日。

別の場所で環境大臣 細野豪志環境庁事務次官と会って話し合った場面も。

ある関係者は『最終処分場を南大隅町に造ることについて話し合われた』と証言した。と番組のナレーター。

そして、町長選挙。

森田町長は選挙中『受け入れは絶対にない』と繰り返し、対抗陣営と最終処分場の問題を争点化するのを避け、今月14日、森田町長は再選を果たした。

『NEW23』は当選が決まった翌日、本人に確かめるために、南大隅役場の町長室を訪ねた。

町長室にて。

東京で、政府関係者と会ったのでは?との質問に、そこでのやりとりは、あくまで観光開発の陳情だったと主張する町長。

実は、『NEW23』は、重要な一枚の書類を手にしていた。

それには≪委任状≫と書かれ、町長の名前と、町の公印が押されていた。

その内容とは、ある施設を 誘致するための、折衝、打ち合わせ、働きかけをする一切の権限をある人物に委任するというもの。

その施設とは

特定放射能廃棄物の最終処分場

原子力発電所

使用済み核燃料の貯蔵施設

MOX燃料工場

ウラン濃縮工場

つまり、ありとあらゆる原発施設について、町長として、あらゆる権限をある特定の人物に町長として与えていることを示している。

日付は4年前。

期限は切られていない。

この署名は本物なのか

番組では専門家に依頼。『本人の署名と思って間違いないですね。』と、その専門家。

場面を町長室に戻そう。

政府側との交渉を否認していた町長だったが『NEWS23』側がその委任状を見せると、様子が一変。

町長―『これ私ですか?』

取材班―「町長が書かれましたよね?」

『いや、これ私覚えてませんけど』

「これは町長の字ではないですか?」

『似てますよね。』

書いた覚えはないと繰り返す町長

さらに取材班は、それまでの水面下での会合の写真を見せる。

その後、一時間のやりとりのあと、あらためて委任状について問いただすと。

取材班―「いろんな人が証言している、現物もある。」

深いため息のあと、

町長―『書いたんでしょうね。』

書いたことを認めた。

それを書いたのは4年前の初当選直後のことだったという。

≪以下町長の発言≫

就任当初、前の町長も書いたと。

できれば、こういう書類があるといろいろ動きやすいんだと言われました。

私の支持者には、多く推進派の方がいる状況の中で、ま、私も推されてやりました(当選しました)んで。

これはどうしても必要だと言われました。

背景には町が置かれる厳しい状況もあったという。

≪以下町長の発言≫

こういう端っこの町の、過疎化が進んでいる。高齢化が進んでいる。町の状況から考えれば、天の恵みに見えるわけです。

せめて、勉強会、調査の名目で公金の前倒しなどに、手をつけたがる。

委任状は現在でも有効なのか?

≪以下町長の発言≫

残念ながら期限を切ってなかったのが、まずいなと思っています。

いまは一切受け入れない。これを誘致するつもりもございませんし、委任するつもりもございません。

そして、ついにこれまで否認していた。政府からの最終処分場の打診について初めて認めた。

誰に委任したのか?

続きは、あす(25日)の『NEWS23』にて。

という内容でした。

おそらく、委任した相手は、これまでに全国各地に原発施設を作ってきた会社の経営者とか関係者だと思います。

いきなりTVをつけたら、南大隅町のことをやっているし、番組では町長が誘致を考えているというような雰囲気がありましたが、今こうして文章で見ると、これはあくまで『誘致・折衝活動をすることの権限』であって、誘致に踏み切ったわけではありません。

(そうは、言ってもナーバスになる人は多くいるのもわかります。)

仮に、南大隅の自然を守るための『誘致・折衝活動をすることの権限』という委任状があって、それをこの≪委任状≫と同時に押印していたとしても、矛盾はないはずです。

それぞれの立場の人が、自前で誘致、折衝、交渉をして、上がってきたことについて最終的に決定するのは町長であるならば、いろいろな意見が上がってくること自体はおかしなことではないはずです。

(考えが甘いかな?)

となりの町なので、今後のうごきにも注目したいです。

ちなみに、ぼくは反対。

このことで、なにかしら運動とか勉強会とかあったら参加したいくらいです。

(理想は徒党を組まない社会活動。ないでしょうね。苦笑。)