前回の続きから。
えぇ、修業はどこの店でもいいのか?という話でしたね。
例えば、定食屋をしたいと思って、ファミレスにて働くのは修業といえるのか?
料理の技術がしっかりある人ならば、オペレーションを学ぶ意味はあるかもしれませんが、そうでないならば、ほとんど意味をなさないでしょう。
その他にも、例えばスシローで働いている人(職人?)がその経験を活かして自分でも店をもつと思ったときはどうか?
シャリは握らない。ネタはさばかない。機械で握った流れてくるシャリにネタをちょんと乗せるだけ。という調理しかしてなければ、その人はやはり同じような回転寿司の店しか出来ないわけです。(こんな店に食べに行くくらいなら、地元の寿司屋に行ってあげてください。)
おっとと。
まぁ、この二つの例はあまりにも極端ですけど、修業先はある程度、選んだほうがいいと思います。
そこの料理を食べてみて料理がしっかりしていると感じたら、門を叩いてみてもいいと思います。
その職場の様子、料理長、先輩の人間性、休み、労働時間、給料などは、実際に働かないと分からないものですから、そこがいい修業先なのかどうかなんて、結局はやってみないとわからないことです。
では、修業先で何を学ぶのか?ということを僕なり考えてみます。
先日も書いたとおり、僕は香川県にて3年、東京の和食屋にて3年の修業をしました。
その中で、一番に得たものは、「体力」でしょう。
飲食店は体力がいります。長時間、立ったまま働ける「持久力」と、短時間で集中的に仕事をこなす「瞬発力」が必要です。
うどん屋に例えてみると、朝から麺を伸ばして、次の日の仕込をしながら、一日の営業をこなす「持久力」と、昼の忙しい時間帯にうどんの釜で麺をゆがきながら、天ぷらを揚げて、盛り付けをして、ご飯も用意する。このような「瞬発力」が必要です。
修業をしていない人は、なかなかこれができません。できないので、うどん釜に一人、天ぷらに一人、盛り付けに一人と人を配置します。そうすると、当然ながら人件費が経営に重くのしかかります。
そうなってしまうと、なかなか店は続きません。
(またまた、つづく)